室内で過ごす時間が多くなる 冬じかん

モルンは このお話の中に登場する

手紙 降り積もる雪 隣に眠るネコの

水玉模様のなかにあるような お部屋になります  

*

ひろい西向きの窓の部屋

水玉模様のネコと暮らす男の子がいた

生活は暖かく穏やかで 単調だった


彼は宛先を書かない 乳白色の封筒に
毎日毎日 まいにち まいにち
無心で 手紙を書いて 封筒につめては 床におとした

ふわり ふわり ふわり

それは降り続ける雪のように 部屋を埋めた

繰り返される時間は 冷えて固まったようだった

クリーム状のすべてが 乳白色に変わっていった

彼は手紙を書き 水玉ネコはその隣で眠り
あたたかい雪の夢をみた

そして朝が来ると 彼はまた新しい紙に手紙を書き
ネコは 隣で眠った

広がった部屋は 宇宙に放り出された衛星のように 
孤独だった

ふわり ふわり

次の手紙 そして次の手紙 また次の手紙
飛行機にして飛ばした
鳥のように 白い手紙は飛んでいった

ふわり ふわり ふわり
ふわり ふわり

飛行機は 鳥になる


とどくといい
とどくといい その見えない宛先の場所に

とどくといい その宛先の人
その人に伝えたかったこと

とどくといい
手紙が地面に落ちて種になればいい
本物の鳥になって 届くといい

長い間伝えたかった人に
会えるといい

「つたわるといいね そして新しい世界をみつければいいね」

水玉ネコもそう言った


その作業は永遠のように続き
彼は失ったものへ 手紙を書き続けながら
これから先の場所について考え始めた